✓本記事を書いているのは『こまち先生』こと不登校解決支援センターRay代表理事の辻です。
・(一社)家庭教育支援センターペアレンツキャンプにて、東京支部室長を歴任。
・家庭教育アドバイザー、復学支援カウンセラーとして親子関係の改善や復学支援に従事。
・SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は60万を突破!
福岡で起きた50代の息子による両親殺害事件や東京都練馬区で起こった元農水省事務次官による息子の刺殺事件など、近年8050問題によるショッキングな事件が多発しています。
事件の直接的な要因は扶養義務や介護の問題ですが、その背景には決して無視してはいけない不登校との関連が存在しています。
▼この記事を読んでわかること
8050問題の現状
不登校との関連
対策方法
8050問題の現状
まずは8050問題の概要です。
一部wikipediaより引用
8050問題の多くは就職氷河期に社会参加ができなかった若者たちであるとされてきました。
長期化した引きこもりの社会復帰は非常に困難なため、解決されないまま放置された8050問題は現在9060問題として社会問題化しています。
この8050問題は決して就職氷河期に引きこもり状態となってしまった家庭にだけ起こる問題ではありません。
その根っこの部分には不登校などに起因する4010問題が隠れているとみるべきでしょう。
不登校との関連
内閣府による引きこもり、不登校の調査報告書を紐解いていくと、引きこもるきっかけとなった要因の中で大きな割合を占めるのは退職等の職場関係の問題や病気、そして小中高校生時代の不登校でした。
こちらの調査は対象年齢が59歳までとなっているため、広義での引きこもりとして考えると最も多いのはやはり職場関係の問題のようです。
しかし、対象年齢を15歳から39歳という若年層に絞った場合は不登校をきっかけとした引きこもりが最も多く、学生時代になんらかのきっかけで学校に通えなくなったお子さんがそのまま長期的な引きこもりになってしまったケースが多いことを示唆しています。
2021年度の文科省による調査で不登校の総数が24万4940人となったと公表されています。前年度から約5万人も増え過去最多の数となりました。
そのうちどれだけの人数が学齢期のうちに復学できているのか、こちらも文科省が発表しているデータがありますが、指導により登校する又はできるようになった児童生徒の割合は27.8%となっています。
100人中30人に満たない数字です。
また、こちらはあくまで文科省が定義する『登校』に当てはまるというだけであり、その内情には五月雨登校や別室登校、母子登校、教育センターやホームエデュケーション(家学習)も含まれ、その後不登校が再発したケースは別の統計に含まれます。
こういった事情を考えると、指導による復学率は実質2~3%ではないかという専門家もいる状況です。
学齢期以降に社会復帰したケースも沢山ありますが、就労支援の現場の声に触れると「年齢が若いほど社会復帰の可能性は高い」と口をそろえて仰います。
大きな話題となった元農水省事務次官による事件に関しても、そのきっかけは中学時代の不登校が原因と報道が行われていました。
当時は引きこもり=犯罪者予備軍のようなひどい世論も散見されましたが、不登校も引きこもりも決してそのような存在ではありません。
しかし、何もせず放っておいた時に8050問題につながってしまうかもしれない4010問題は確実に増えています。
社会的な支援の輪も広がっていますが、まずは家庭でできる対応についても見直すことが必要ではないでしょうか。
対策方法
学齢期以上の対策については行政や専門機関が現在も検討し、就労支援や地域サポーターとの繋がりなど日々努力が続けられています。
私は学齢期のお子さんの復学支援に携わっているため、その視点から家庭でできる対策についてご紹介できればと思います。
キーワードはずばり家庭で自立を育むための家庭教育です。
不登校を生む要因については一時期愛情不足が要因であると言われ続けてきました。
しかし、現代の不登校において愛情不足型の不登校はむしろ少数派となってきています。
近年増えているのは愛情過多による過保護過干渉型の不登校です。
お子さんに失敗させないように親が過干渉してしまったり、子ども上位な状況にしてしまう過保護な対応が日常的になり、子どもの自立心が年相応に育まれていないケースです。
こういったケースでは驚くほど些細な理由で学校をお休みするようになっていたり、「もう学校なんて行かない!」と子どもがある日突然学校に行かない宣言をするケースが散見されます。
いじめや重篤な病気がある場合は別ですが、本人の自立課題による不登校は家庭が対応を変えることで復学を果たすことが可能です。
「宿題やった?」、「忘れ物ない?」、「そろそろ寝ないと明日起きれないよ」、「早くご飯食べなさい」といった先回りな干渉が多かったと感じられる方「子どもが発言する前に察して行動している」、「癇癪を起されないように機嫌をとっていることが多い」、「年齢に比べて幼い行動や要求が多い」といった過保護な対応が多かったと感じられる方はまずそういった日々の接し方から変えてみましょう。
年齢を考えて自分でできることは親がやらないようにする、失敗するのが目に見えていてもあえて任せてみるなど、親御さんにとっても勇気のいる対応が多いことでしょう。
しかし、お子さんを変えたいのであればまず親が変わらなければいけません。
対応を変えたことによって親子は一時的な成長痛を感じるかもしれませんが、何もせず遠い将来でもっと悲しい出来事が起きてしまうよりは本意なはずです。
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