✓本記事を書いているのは『こまち先生』こと一般社団法人不登校解決支援センターRay代表理事の辻です。
・(一社)家庭教育支援センターペアレンツキャンプにて、東京支部室長を拝命。
・家庭教育アドバイザー、復学支援カウンセラーとして親子関係の改善や復学支援に従事。
・SNSでは『こまち先生』として活動し、総view数は50万を突破!
『不登校=甘え』だという意見を聞いたことのある方は多いはずです。
「病気でも怪我でもないのにさぼっている!」、「本当はいけるはずだ!」という意見は今も根強く残っています。
では不登校はすべて甘えから起こる問題なのでしょうか?
今回の記事ではこちらについて解説を行っていきます!
▼この記事を読んでわかること
甘え依存型不登校とは
まず結論からとなりますが、不登校=甘えという図式は成り立ちません。
一口に不登校と言っても様々な要因が関わっているため、不登校=甘えでは無いという認識が必要です。
しかし、不登校の分類の中には『甘え依存型』と呼ばれるタイプは存在します。
支援機関によっては混合型や母子依存型といった名前で呼んでいるところもありますが、基本的にはその要因に『親に対しての甘えや依存、依頼心が強くみられる』ことが共通しています。
特に幼稚園や小学校3,4年生までに多く見られるタイプですが、最近では中学生(男子)にもみられることが多いケースです。
『甘え依存型』という名前だけ聞くと怠けではないかと勘違いされることも多いのですが、根底にあるのは発達の課題であることが多いです。
それが器質的なものか成育環境によるものなのかは専門家によるアセスメントが不可欠であり、分類上の名称だけで判断を行うのは避けなければいけません。
甘え依存型の特徴
以下に甘え依存型に多く見られる傾向を箇条書きにしました。
3つ以上当てはまるようであればその傾向が強いという見方をして良いでしょう。
・年齢より幼く見える言動が多い
・特にお母さんに対しての依存心が強く、ぎゅっとしてほしい、抱っこしてほしい、頭をなでてほしいといった欲求が強い
・お風呂や寝ること、一人で部屋にいることなどを極端に嫌がる
・本来できるはずのことでも親御さんに頼んでやってもらおうとする傾向が強い
・取り組んだものを最後までやり遂げずに投げ出すことが多い
・感情のコントロールが苦手であり、些細なことでも激しく怒りが沸き上がりしばらく切り替えることができない
・行動する前から「できない」、「無理」といった発言が多い
・失敗したときに「お母さんが悪い!」といった形で誰かや何かの責任にしてしまう傾向が強い
また、よく見られる特徴として『学校に行ってしまえば帰宅後に友達と遊ぶなどして楽しそうに過ごしている』というものもあります。
甘え依存型の原因
甘え依存型の不登校になる原因は本人の気質によるものと成育環境によるものがあげられます。
気質とは本人の性格傾向を指しており、成育環境とは親御さんによる家庭内での接し方を指します。
以下は甘え依存型の不登校家庭において共通していることが多い成育環境です。
・小さいころから子どもが失敗しないように先回りして対応してしまうことが多かった
・失敗に対するフォローをすべて親が行っていた
・機嫌が悪くなると困るので、事前に本人の好きな物を用意したり、好む方法を提示することが多かった
・年齢に比べて幼いコミニュケーションを求められてもそれに応じ続けてきた
・家庭内でのルールや制限を守らせることが難しい、あるいは子ども主体でルールを決めていた
・父性から叱る機会が少なく、家庭内にお母さんが二人いる状態だった
・成功体験が少なく、主観的に自信を持てるような経験もほとんどない
いわゆる『過保護過干渉型』との違いはその根底に親御さんに対する強い依存心や依頼心があるかどうかです。
甘え依存型のお子さんは家庭の外だと思うように自分を出すことができない傾向も強く、友達に対して気を使いすぎてしまった結果、人間関係が嫌になってしまうというケースも多いです。
対人関係のストレスを強くためてしまった結果、家庭内でのふるまいが乱暴になり親御さんや兄弟姉妹への暴力や暴言がでるケースもあり、小学生でも警察沙汰になるような暴れ方をすることもあります。
甘え依存型への対応
このタイプのお子さんは休み始める際の理由がかなりバラバラです。
根底に自立心の低さや親御さんへの依頼心の強さなどが残っているため、どんな些細なきっかけでも『学校に行かない理由』にしてしまうからです。
そのため、一つ一つの理由を解決してあげたとしても根本的な解決につながらないケースがほとんどとなっています。
例)給食が苦手で学校をお休みしがちだった子に「残してもいいよ」と伝えても登校状況が改善しなかった。
以下は甘え依存型に多く見られる不登校理由です。
「宿題ができていないから先生に叱られるのが怖い」
「お友達に嫌なことを言われた、された(いじめではない)」
「学校が自体が怖い、不安」
「忘れ物などの失敗をしないか心配」
「給食に嫌いなものがでる、みんなと同じ量を食べられない、時間内に食べられない」
また、自分の気持ちを言語化できない、言語化することを苦手としている際は体調不良を訴えるケースも多く存在します。
頭が痛い、お腹が痛い、気持ち悪いといった訴えが多く、熱を測っても平熱であったり、受診してもこれといった原因がわからない、あるいは適当な病名がついてしまい「自分は病気なんだ」と思い込んでしまうケースもあります。
望ましい対応としてはまず家庭内の体質改善です。
それもいきなり変えるのではなく漢方のようにじっくりと行う必要があります。
・年齢を考えれば自分でできて当然のことは手をださないようにする
・幼いコミニュケーションをやめていく
・失敗の経験を積ませる
・小さな成功体験を積ませる
・父性と母性できちんと役割分担をする
これまでの子育て方針から変えていくというのは親御さんにとっても負担の大きい行為です。
甘え依存型不登校になりやすい成育環境でも問題なく育つ子も多いため「なぜうちの子だけ……」と悩まれることもあるでしょう。
決して親御さんの子育てが悪いわけではありません。
ただお子さんの性格傾向によっては「今のやり方があっていないかもしれない」という可能性があるだけです。
特に甘え依存型のお子さんに関しては待つだけの対応だと家庭内での成長が見込めず状況が悪化するケースが多いため、まずは家庭で行える体質改善から試してみることをお勧めいたします。
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